other
another と other
英文添削をしていると、other と another の使い方のミスを大変よく見かけます。今日は、名詞の前に置かれる other についてお話しします。
①the other + 可算名詞の単数形
この other は「(2つのうちで)もう一方の」と言う意味です。名詞を修飾する形容詞と合せて考えると分かりやすいかと思います。例えば、形容詞 clean を例にとってみます。
「清潔な家」は a/the clean house と冠詞が必要になります(house は可算名詞)。このように、形容詞+可算名詞の単数形には必ず冠詞が必要になります。この考え方からすると、〈the other + 可算名詞の単数形〉になるのも納得がいきます。
Two of my friends are living in Tokyo. One friend goes to university, and the other friend is studying painting.
(2人の友人が東京に住んでいます。1人は大学に通い、もう1人は、絵を学んでいます。
ちなみに、an other は another に変わります。従って、〈another (an other) + 可算名詞の単数形〉になるのですね。an は可算名詞につくということから another (an + other)は不可算名詞につくことは出来ません。
②the other + 可算名詞の複数形
①に出てきた、a/the clean house は、the clean houses と複数形にもできますね。ということは、the other + 可算名詞の複数形という形も可能です。人あるいは物が複数あり、どれか1つを特定した場合に、「その他全ての」という意味です。the がついていることで、残りの物(人)が特定されているのですね。
He was the only survivor of the accident. The other victims lost their lives on the spot.
(彼はその自己の唯一の生存者だ。残りの犠牲者は全て事故現場で命を失った。)
③other + 可算名詞の複数形
a/the clean house は、clean houses と無冠詞+複数形でも表せますね。ということは、other + 可算名詞の複数形という形も可能です。人あるいは物が複数あり、いくつかを特定して、その残りのいくつかを指す場合に用います。「その他の」という意味です。
Some people like reading books, while other people don’t.
(読書が好きな人もいるが、嫌いな人もいる。)
He had a cough, fever, and other symptoms.
(彼には、咳、熱、その他の症状があった。)
④(the) other + 不可算名詞
clean water のように、形容詞のあとには不可算名詞も来ます。つまり、(the) other の後には不可算名詞も置くことが出来ます。「その他全ての」という意味です。
the がつくと残りの物を限定した形になり「その他全ての」という意味になります。
Some evidence is not enough. However, the other evidence shows that he murdered her.
(いくつかの証拠は不十分だが、その他全ての証拠は彼が彼女を殺したことを示している。)
the がつかないと、「その他の」という意味になり、他にもまだ同じようなものがあるニュアンスになります。
We need to find blood, saliva or other evidence.
(我々は血痕、唾液、その他の証拠を見つける必要がある。)
最後に、
ここでは、わかりやすいように形容詞を用いて説明しましたが、ここに出てきた other は正確言うと限定詞です。形容詞と全く同じようには使えません。
例えば、other の前には通常副詞は来ませんし、連結動詞のあとにother が来ることもありません。
a completely clean house(a completely other house とはなりません。)
The house looked clean.(The house looked other とはなりません。)
ここでご紹介したものは、基本的なotherの使い方です。また、応用編もご紹介できたらと思います。